Hola México! by JDOX 2025 4月号
Vol.1 : タコスはおにぎりのようなもの!?


「あなたが知っているメキシコ料理はなんですか?」もしそんな質問をされたら「タコス」と答える人が多いのではないでしょうか?実際、押しも押されもせぬ、知名度ナンバーワンのメキシコ料理はタコスに間違いありません。
近年、日本でもタコスを提供するレストランが増えている印象です。それも、ひと昔前のように、いわゆる「アメリカンタコス」ともいえる、ハードシェルタイプではなく、トウモロコシを原材料としたソフトなトルティーヤで作った由緒正しい「メキシカンタコス」を日本でも気軽に食べられるようになっています。
11 年弱にわたるメキシコ生活をいったん終えて、メキシコ人の夫と娘を連れて日本に帰ってきた私。ですが移住前に比べて、メキシコ料理に困ることはなさそうだなというのが帰国してすぐの感想でした。
このタコス、メキシコではどんな立ち位置かというと「おにぎり」のようなものです。アツアツのトルティーヤの中に肉や野菜、チーズなど好きなものを入れて頬張る …… ホカホカごはんの中に、好きな具材を詰めて握ったおにぎりと同じテンションといえるでしょう。
さて、先ほどトウモロコシを原材料としたトルティーヤで作ったものを由緒正しいメキシコのタコスと表現しました。でもそれは私がメキシコシティに住んでいたからなのです。どういうこと?と思われるかもしれません。実はメキシコ全土でトウモロコシ由来のトルティーヤが主食というわけではないのです。大雑把にいって、中央から南の地域はトウモロコシ、反対に北の地域は小麦のトルティーヤの消費量が多いそうです。
ある時一度、グアダラハラに住む友人とメキシコシティでランチをした時に「本当にトウモロコシのトルティーヤを食べないのか」と聞いたことがあります。彼女曰く「これを食べると、ああメキシコシティに出張に来たんだなと思う」とのことでした。 地図で見るメキシコは、アメリカ合衆国と南米大陸に挟まれてすごく小さく見えます。ですが、実は国土は日本のおよそ5倍。風土も気候も大きく違うので、食文化も様々なのですね。
とはいえ、メキシコシティで小麦のトルティーヤを食べないわけではありません。私も「グリンガ」と呼ばれるタコスが大好きで、日本でも時々作っています。グリンゴ/グリンガとは、メキシコの俗語でアメリカ人のことを指します。このタコスを「アメリカ人」と呼ぶ理由は諸説あるようですが、メキシ コに滞在していたアメリカ人が食堂で注文したのがきっかけだとか? 作り方は簡単。2枚の小麦トルティーヤの間に、ハムや肉などと一緒にとろけるチーズを挟んで焼くだけ。日本のスーパーでも簡単に手に入る食材で、簡単にメキシカンメニューが作れちゃいます。ぜひお試しください。
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