Hola México! by JDOX 2025 5月号
Vol.2 : チリ(唐辛子)は単なる「辛いもの」じゃない!?

辛くておいしい麻婆豆腐やキムチ。日本人にもおなじみの「唐辛子」を使った料理ですが、実はこの唐辛子の 生まれ故郷はメキシコなのです!メキシコでは「チレ」と呼ばれている唐辛子は、コロンブスが新大陸と一緒に発見し、スペインやポルトガルに持ち帰りました。その後、宣教師がキリスト教とともにアジア各国に持ち込んだそうです。チレを通してメキシコからヨーロッパ、そしてアジアにつながる一大歴史ロマンを感じてしまいますよね。
メキシコではおよそ6000年前からチレを栽培していたといわれています。これだけ長い歴史を持つのですから、メキシコ料理が辛いのもさもありなんと思われるでしょう。ですが、実はメキシコ料理、日本人が想像するほどは辛くありません。辛くないというより「辛さを自分でコントロールできる」といった方が正しいでしょう。
例えば、タコスや肉料理に欠かせないサルサ。赤いサルサにはチレ·アルボルを、緑色のサルサにはチレ·セラーノを。そして黄色いサルサにはチレ·アバネロ(ハパネロ)を使っています。「ほらやっぱり唐辛子だらけで激辛じゃない!」といわれてしまいそうですが、サルサはお好みで使うことができます。そのため、辛さが苦手な場合はアクセント程度につけるだけで OK。辛い料理は好きじゃない、と食わず嫌いの方には、一番辛みの少ない赤いサルサからおすすめするといいでしょう。
かくいう私も今から20年前、初めてのメキシコ旅行を計画したときは「旅先で食べられるもの、あるのかなあ?」と心配していました。というのも、若かりし頃、バイト先の先輩が「昔、1年間メキシコへ遊学していたんだ。むこうの食べ物が辛すぎて帰国するときには痔になっちゃってさ」なんて話していたのを思い出したからです。
でも、実際にメキシコを旅してみると、メキシコのチレは辛いだけではないこと。そして様々なタイプのチレを料理だけではなくフルーツやおやつにまで使っていることを知りました。ありがたいことに(?)その後のメキシコ生活でもチレが原因で痔になることはなく、むしろバラエティー豊かなメキシコのチレにすっかり魅了され、No Chile, No Lifeの体になってしまったのでした。
日本人の私ですら、ほれ込んでしまうチレ。メキシコ人にとっては人生の一部ともいえるでしょう。その証拠に、チレを用いた慣用句が実にたくさん存在しているのです。「チレを使った面白い言い回し、教えて」とお姑さんや義理の叔母たちに聞いたところ、 たくさんの返信がありました。ほんの一部ですがご紹介。これを知っていたらかなりの「チレ通」になれそうです!

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