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Hola México! by JDOX 2025 8月号

Vol.5 : 実はメキシコが原産!?カカオの秘密

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今年7月10日、メキシコ政府が大々的に発表した商品があります。それが「Chocolate Bienestar(チョコラテ・ビエンエスタール)」。その名が示す通り、健康志向の100%メキシコ産のチョコレートバーで、カカオ成分は 50%と高く、糖分もサトウキビを使っているとのこと。

なにより、チアパス州やタバスコ州のカカオ農家を守るために、政府が適正価格でカカオ豆を購入しているところがポイント。このプロジェクトのために、メキシコ政府は 3400 万ペソ(およそ 2億6500万円)の投資をしたといいます。そこまで政府が気合を入れるのも、メキシコがカカオの原産国であるから。国としてのプライドの表れとも言えそうです。

カカオは、紀元前 1200~400年頃に現在のベラクルス州からタバスコ州あたりで生まれたと考えられています。チレだけでなく、カカオまでメキシコ原産だなんて、すごいぞメキシコ!と思うのは、ひいきが過ぎるでしょうか?

古代メキシコでは、食べ物ではなく、なんとお金として使われていました。タメメと呼ばれる荷役人の日当はカカオ100粒。そのカカオ 100粒では、ウサギ1羽を買うことができたそうです。

それだけ貴重なカカオですので、庶民はおいそれとは口にできませんでした。プレヒスパニック時代では皇帝や貴族の他、兵士だけがカカオドリンクを飲むことを許されていたようです。なぜ兵士が?と思われますが、当時、カカオドリンクにチレやスパイスを混ぜて「滋養強壮剤」を作っていたようなのです。行軍に際して、兵士のエナジードリンクとして使われていたということです。今でも、メキシコのコーヒーチェーン店 Cielito Lindo では、チレ入りのチョコレートドリンクを提供しています。ご興味ある方はぜひお試しを(滋養強壮効果はなさそうですが)。

その後、スペイン人経由でヨーロッパに持ち込まれ、砂糖や乳脂肪を加えられたことで、いま私たちが美味しく食べている「チョコレート」の姿になりました。今でこそ、安く簡単に手に入るお菓子になりましたが、実はメキシコの長い歴史を経て生まれたもの。次にチョコレートを食べるときは、ちょっとメキシコに思いを馳せてみてください。



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