Hola México! by JDOX 2026 7月号
Vol.15 : 三つ子の魂百まで


メキシコ人にとってチレ(トウガラシ)のない生活は考えられないくらい、切っても切れない関係だということはVol.2でお伝えした通り。そうなると皆さんの頭の中には「いったい、メキシカンキッズはいつから辛いものを食べ始めるんだろう?」という疑問がわいてきませんか?実際、私はそう思いました。なんなら移住当初、もはやお菓子を食べているのかチレを食べているのかわからない、真っ赤な物体を口にしている子ども達を目にしながら「あんなに小さなころから辛そうなものを食べさせて……味覚がおかしくなりそう」とそっと心の中でディスっていたくらいです。
そしてその言葉は、そのまま自分の子育てに返ってくることになりました。そう、 うちの娘。3歳になるころにはもう、チレを口にしていたのです。
とはいえ、いきなりハバネロのソースを口にしたり、ハラペーニョの酢漬けを丸かじりするようなことはありません。まずは、フルーツやお菓子につけるチレを入口にして慣れていきました。
メキシコ人にとって、食事に使ういわゆる「サルサ」と同じくらい食生活になじみ深い2大チレは「タヒン」と「バレンティーナ」です。
タヒンはチレやレモン、塩のミックスシーズニングで、フルーツや野菜にかけて食べるのがオーソドックス。「果物にトウガラシだなんてどうかしてる!」と思われがちなのですが、同じようなことを日本人も古くからやっているのです。そう、「スイカに塩」。まさにタヒンはフルーツの甘みを強めてくれる効果がある(と思う)のです。
それを証拠に、最初こそチレ×フルーツに驚愕した私ですが、メキシコ生活が長くなるにつれて「マンゴーにはタヒンだよね!」という味覚に落ち着いたものです。

バレンティーナは液体のサルサで、タバスコをもっと濃厚にしたものといえばわかりやすいでしょうか?インスタントラーメンに入れたり、スナック菓子にかけたりして使われます。せっかくパリパリのポテトチップスもメキシコ人の好みに合わせると、バレンティーナでしっとりぺたぺたに。「それでいいの?」と聞いたところ「これがいい」という話でした。
このバレンティーナ、ハリスコ州で生産されているため、ラベルにハリスコ州の形が描かれています。そのため、ある小学校の地理の授業で「これはなに州でしょう?」とハリスコ州のシルエットを見せたところ「バレンティーナ州!」と子ども達が答えたという、それは相当盛ってるでしょ!?というエピソードを読んだことがあり ます。真偽のほどはともかく、それだけ子ども達にもなじみ深いのだということがわかります。
メキシコを離れ、すっかり日本の小学生になっている娘ですが、それでもいまだにフルーツにはタヒンが欠かせません。「辛いもの食べすぎるとニキビがひどくなるわよ」と日本のおばあちゃんのお小言もどこ吹く風。こればっかりはやめられないと、今日も朝からリンゴのタヒンがけを食べて登校しました。三つ子の魂百までって本当だなあ。

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