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Hola México! by JDOX 2026 9月号

Vol.17 : ライフワークバランス

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JDOXの倉庫で業務にあたるメキシコ人たち
JDOXの倉庫で業務にあたるメキシコ人たち

「6.5日間の有給休暇が、消化されないまま失効しました」


 勤務先の管理部からそう連絡を受け、少し驚きました。せっかくの休暇を捨ててしまったのだから、もったいない。とはいえ「もっと休みたかったのに!」と悔しさがこみ上げてきたわけでもありません。考えてみれば、日本ではほぼ毎月のように祝日があります。今の会社では、それとは別に夏季~秋季に自由に取れる休暇が5日間もらえます。学校行事や病気でもしない限り、さらに有休を取ってまで休みたいという欲求が、それほどたまっていなかったのです。


 そこで思い出したのが、メキシコで働いていた頃のことでした。


「5月のメーデーが終わった…次の祝日は、9月の独立記念日か。なっがい!」


 そう、メキシコは日本に比べて格段に祝日が少ない国なのです。日本の「国民の祝日」は、年間16日あります。さらに年によっては、振替休日や祝日に挟まれた「国民の休日」が加わります。


 一方、メキシコで毎年必ず設けられる法定休日は、基本的に7日だけ。1月1日の元日、2月の憲法記念日、3月のベニート・フアレス生誕記念日、5月1日のメーデー、9月16日の独立記念日、11月の革命記念日、そして12月25日のクリスマスです。このほか、6年に一度の大統領就任日などもありますが、通常年で比べれば、日本の祝日はメキシコの2倍以上あります。


「でも、メキシコにはセマナ・サンタや死者の日があるでしょう?」と思う人もいるかもしれません。確かに、セマナ・サンタ、とりわけ聖木曜日と聖金曜日は、休みにする企業が少なくありません。11月2日の死者の日、12月12日のグアダルーペの聖母の日、12月24日のクリスマスイブなども、職場によっては休みになる場合も。

しかし、これらはすべての労働者に保障された法定休日ではありません。学校や官公庁が休みでも、民間企業は通常営業ということもしばしば。


 では、有給休暇はどうかというと、これもメキシコではなかなか厳しい。日本では、原則として入社から6カ月間継続して勤務すると、10日の有給休暇が与えられます。


 しかしメキシコでは、1年間勤務すると、2年目から最低12日の有給休暇を取得できます。そう、法定有休が発生するのは、原則として最初の1年間を勤め終えた後です。会社独自の制度がなければ、入社後の1年間は自由に使える有給休暇がないことになります。


 しかも、私がメキシコで働いていた頃は、勤続1年後にもらえる有給休暇は、わずか6日でした。2023年に法改正が施行され、ようやく現在の12日に倍増したのです。


 「とはいえ、メキシコにはシエスタがあるでしょう?」。これも誤解です。メキシコの労働法に、昼寝をするための「シエスタ制度」はありません。連続して働く場合、勤務時間中に最低30分の休憩を設ける決まりはありますが、これは食事や休息のための一般的な休憩時間です。もちろん、暑さの厳しい地方や小さな町では、日中に店を閉めたり、長めの昼休みを取ったりすることもあります。昼食をゆっくり楽しむ文化もあります。 しかし、それはいわゆる会社員が昼寝をしているという意味ではありません。特にメキシコシティのような大都市では、ひどい渋滞の中を長時間かけて通勤する人も多く、昼休みに自宅へ帰って昼寝をするなど、現実的ではありません。


 「メキシコ人はのんびり働いて、たくさん休んでいる」。そういう印象があるのだとすれば、仕事中でもお喋りに時間を費やし冗談を言い合い、時には音楽を流す。さらには同僚の誕生日にはケーキを囲む…そういった姿が影響ありそうな気がします。


 メキシコ人の働き方が楽しそうに見えることと、祝日の数の多い少ないは、どうやら別の話のようです。




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